断熱の仕様の差
断熱性能については、当然ながら新しい家の方が優れています。「最近の家」、「1990年頃の家」、「1980年頃の家」、「それ以前の家」では、断熱の仕様が異なります。つまり、夏・冬の快適性も大きな差があるのです。
「1980年頃の家」での一般的な仕様は、断熱材なし、ガラスは単板ガラスというものです。これが「1990年頃の家」になると、一般的な仕様は、断熱材GW10kg、30mm、ガラスは単板ガラスとなります。更に「2000年以降の家」の一般的な仕様になると、断熱材GW16kg、100mm、ガラスはペアガラスとなり、こうした仕様の差が快適さの差にもなるのです。
さて、寒い時期、すっかり冷え切った部屋で、温かい布団から出るのは誰にとってもかなり辛いものです。ただでさえ慌しい朝の準備がますます遅れてしまいます。
では、冷え込んだ冬の朝のリビングの室温は何度あるのでしょうか?前日の就寝前に約24℃あったとしても、暖房を消すと、翌朝には5℃以下になることもよくあり、それは夜の間に熱が流出してしまっているからです。特に冬の暖房時だと、開口部から58%もの熱が流出しているそうです。
熱は、外壁、屋根、床などからも逃げていきます。冬暖かくしたいなら、とにかく室内暖気を外に逃がさないように対策をすることが重要となります。実際、部屋の保温力を高めれば、結果として3.5℃も暖かくできるそうです。
最近はリフォームで壁紙を張り替えるような感じでも断熱性を高めることができます。従って、丁度内装などのリフォームの時期に合わせ施工すれば負担が少なくて済みます。費用を抑えて快適性はぐんとアップできます。
室温が3.5℃改善できれば、それはスプリングコート1枚分の体感温度差ですから、間違いなく暖かさが実感できるでしょう。ちなみにここでの説明は前項と同様に、「築38年、1階居室、(6地域)」の測定値を基本にした試算結果であり、一定条件での試算結果ですから、外気温や各住宅によって多少異なる結果になります。