不快な寒さ

 

前項でも挙げましたが、温度差が負担を与えるヒートショックは、寒い時期の入浴中によく起こり、家庭内死亡事故の代表的な事故にもなっています。ヒートショックから心筋硬塞、脳出血、脳硬塞を引き起こすのが原因だとされます。

 

リビングは暖かいのに、そこから寒い脱衣所へ行って身体が冷え、次に浴室に入って熱いお湯に浸かるわけで、この過程の血圧の乱高下が深刻な疾患につながります。

 

こうしたヒートショックを防止するには、洗面室、脱衣所の断熱が重要になります。夜9時に10℃まで下がっていた脱衣所でも、断熱リフォームをすれば14℃を保つようになり、温度差をかなり減らすことができます。そこに暖房器具を併用すれば、更に効果を高めることができます。(ちなみにデータは一定条件での試算結果で、外気温や住宅によって異なる結果になります。)

 

さて、身体が感じる温度というのは室温だけではないのです。冬場になると、窓や壁から冷気を感じることがあると思います。周囲の壁や窓の冷気から体温が奪われると、寒く感じるのです。これに足元の冷えが加わると、間違いなく快適とは程遠い状態になります。

 

足元の寒さは何が原因かと言えば、断熱対策がされていない家の場合は、隙間風や床の冷たさ、窓からの冷気が部屋の下の方に集まるからです。これで足元を冷やしてしまいます。

 

ということは、冬の寒さ対策においては、窓、壁、床の温度を上げることが重要で、冷気が伝わるのを防止、家の隙間を少なくすることがポイントになるのです。